高周波熱処理は、高周波誘導電流により被加熱物の電気抵抗によって発生したジュール熱で加熱する熱処理です。高周波加熱の特徴として焼入れしたい箇所のみを部分加熱できることや、表面のみが加熱されることが上げられます。周波数が高ければ表面から浅く、低ければ深く加熱することが出来ます。
高周波誘導電流によって鋼を急加熱した後、冷却液を噴射して急冷することで、表面のみを硬化させて内部はもとの軟らかい組織のままとなります。これにより表面には強い圧縮応力が得られ、強靱で耐摩耗性を要求されるカムシャフト、クランクシャフト、ギヤ、ピン、ブッシュなどの機械部品の表面硬化に広く用いられています。とりねつには、30、60、200KHzの3波切り替え方式の装置があり、用途に応じた周波数を選択できます。