コロナ禍で社内イベントが余儀なく中止が続いていたが、唯一継続してきたこのサークル活動の集大成であるとりねつサークル発表会を予定通り開催しました。

今年度の各サークルに課された課題は、安全衛生目標は時間外勤務時間の削減、ノー残業デーや不適合ポイントを全社で25ポイント以下にすることなど。環境目標は消耗品の削減案や不適合ポイントの25ポイント以下など、品質目標は顧客満足度を85ポイント以上のほか、熱処理歪改善案や自分たちが使用する設備の勉強会の実施、不適合ポイントを350ポイント以下にすることなど。

更には、内部監査や不適合の対策終了を20日以内、改善提案数、中期計画全社目標のテーマに沿った改善等を1年間実施したものを発表します。

前半の司会担当の吉岡課長が開会を宣言した後、馬田専務から開会のあいさつがあって発表会がスタートしました。

 

　

 

　

 

　

 

 最初の発表は窒化サークルの提嶋リーダーが各テーマをどの様に取り組んでいったかを説明しました。特に教育資料を作成しての活動や停電時の対応フロー図を作成したこと、窒化前洗浄をゼロベース思考による改善実施や洗浄剤の削減、更には作業場のレイアウト変更もすべて金額換算しメリットを紹介しました。

続いて設備サークルの青木リーダーが取り組んだ8項目の中から設備トラブルによる生産影響について詳しく解説しました。目標を掲げた設備停止件数と停止時間について、設備の重要度、部品の入手困難度、修理の難易度のランクを設けてその積による重要度を求めて、設備の突発停止を防ぐ指標にしたことについて発表しました。

続く真空サークルでは緊張気味の村林メンバーが、安全衛生、環境、品質のそれぞれのテーマにどのような活動をしたかを発表しました。それぞれに目標を掲げて、現状把握、対策の実施、効果の確認、金額換算で表し、特に品質では焼入れ歪の低減で"大吉セット"の効果を統計計算により検証したり、イレクターパイプ作品により屋台方式の職場改善の発表が印象的でした。

 

　

 

　

 

　

 

 休憩を挟んで、司会進行を金田課長に代わって

最初の高周波サークルで初登場の松本浩隆メンバーが発表しました。焼入れ水の油水分離の遠心分離機の代替案として加熱処理分離を研究室のような試作機を作って試験中である話や、不適合を層別に分類して取り組んだこと、高周波設備の構造勉強会を4回実施したこと、消耗品の削減で水置換剤を節約できたことなどが報告しました。

続いての浸炭サークルの発表は、細田リーダーと大久佐メンバーのゴールデンコンビが担当し、治具類を精鋳品に変更して軽量化し作業者への負担軽減の他に金額以上の長寿命化に成功した報告や、歪対策セットを簡易セットに変えても変形の問題はなかったデータを示し、従来セット比較して不良率にもセット時間にも貢献できた改善であったことの報告が発表されました。

最後の業務サークルは武部リーダーが実施内容を紹介しました。鳥取便の出発時間を早める取り組みをしてきたこと、HMP便に2ton車、4ton車を使い分けて午前中に依頼品を持ち帰ることによって、セット待ち時間の無駄が無くなり時間外勤務を減らすことに成功した事例や、サンドブラストのノズル交換時期を標準化して作業能率を高めた事例が発表されました。

 

　

 

 この後、特別講演として先日「熱処理コンテスト」で優勝したメンバーに対して、日本熱処理技術協会からの表彰状と記念品の楯が馬田専務から川上リーダーに手渡され、メンバーには景品が送られました。この後、川上リーダーが「熱処理コンテスト」への参加した経緯やプロジェクトを進めていった苦労話、試験片への熱処理方法に至った経緯、そしてこのコンテストで優勝した喜びを伝えて職員からの大きな拍手が送られました。

 

　 

 

　

 

 発表会を振り返って、生田工場長から全体にレベルアップされていることを前置きしながら、各サークルの発表についてそれぞれに対し細かく所感や他部署からの質問も活発であった感想を述べられました。そして審査集計の結果、2021年度の最優秀賞は真空サークル、優秀賞は高周波サークルに決定し、森脇理事長から最優秀賞、優秀賞、発表賞がサークルの代表に送られました。

最後に森脇理事長より、サークル発表会は最初に発表を聞かせて頂いたときに比べると各段に進化していること、以前には様々な失敗例を聞かせてもらいそれはそれで楽しかったが、最近では余りにスマートに問題解決をしている様は少し物足りなさを感じたことなどを話され、また「熱処理コンテスト」における快挙としてお祝いのメッセージがありました。

本日は台風並みの暴風雨の中で開催されたサークル発表会でしたが、停電などのアクシデントもなく無事に終了して、2021年度最後のイベントを締めくくりました。